日本にはセックスレス状態にある夫婦が実は多いと言われています。
拒否された側としては深く悩んでいる人も多く、また長期間セックスを拒否されることで不倫や浮気の原因となったり、そうでなくても離婚を切り出すひとつの要因となりかねません。
ですが、もちろんセックスを拒否する側にもなんらかの理由があるはず。
また、セックス は苦痛に感じるものの、それ以外ではパートナーに対して特に不満はなく、できれば離婚はしたくない、と考えている人も少なくないことでしょう。
ですが、本当にセックスレスでも円満な結婚生活を送り続けることはできるものなのでしょうか?
夫からセックスレスを理由に離婚を切り出されたけれど拒否できる?
特に自分が夫からのセックス の誘いを拒否してきていた場合、気になるのが夫からの離婚の要求を拒むことができるのか、ということではないでしょうか。
日本性科学会の定義によると、セックスレスとは病気などの特別な事情がないにもかかわらず、1ヶ月以上性交渉がない状態のことを指します。
ですが、裁判で法廷離婚事由として認められるには、以下の条件を満たしている必要があるとされています。
- 相手からのセックス の誘いを拒否した
- セックスレスの状態が概ね1年以上の長期にわたっている
- 病気など、セックスが困難となる事情がない
ちなみに法廷離婚事由とは、離婚の原因を作った側が仮に離婚を拒否したとしても、裁判において強制的に離婚が認められる事情のことを指します。
つまり、病気などセックス自体が困難な事情などもなく相手からの誘いを拒否し、セックスレスの状態が1年以上続いている場合、配偶者から離婚を切り出された場合はその要求は拒否できない、ということです。
ただし、上記条件を満たしていても、配偶者の不倫や、特殊な行為を求められるなどの理由から止むを得ず拒否してしまった場合など、特別な事情がある場合には離婚を拒否できる場合もあります。
夫が原因のセックスレスの場合、夫からの離婚要求は拒否できる?
セックスレスの原因が夫側にあり、その夫からの離婚を切り出された場合についてですが、基本的にその離婚の求めは通らないものとして考えておいて良いでしょう。
というのも、離婚原因を作り出した側から離婚を切り出すのは難しく、あなたに離婚の意志がなければ裁判においても認められないケースがほとんどだからです。
特に、セックスレスの原因が単なる夫からの拒否だけではなく、その背景に夫側の不倫がある場合、夫婦の破綻について責任がある、いわゆる有責配偶者となり、夫からの離婚請求は原則として認められなくなります。
ただし、裁判などでも夫婦関係の破綻を証明しやすくするために、別居を提案してくる場合も考えられます。
ちなみに有責配偶者からの離婚要求の場合、夫婦関係の破綻を証明するために要する別居期間は8〜10年はかかるとされています。
それでも相手にとって離婚の意志が本気のものであれば、その年月を我慢してでも、と考えることでしょう。
あなたにとっては、即離婚となるよりも別居の方がハードルも低く、頭を冷やす期間ができれば相手も考え直してくれるかもしれないと期待するかもしれませんね。
ですが、あなたの側に離婚する意志が全くなく、婚姻関係の続行を求めるなら、可能な限り別居にも応じない方が得策でしょう。
最後に
今回はセックスレスを理由に夫から離婚を切り出された際、原因があなたにある場合と夫にある場合とでどのような違いがあるのか、またそれぞれの対処法について紹介してきました。
別れたくないと本気で思っているのであれば、今回紹介した内容だけでなく、やはりセックスレスを解消し、夫婦関係を修復するための努力も必要であることは確かです。
あなたの未来が、できるだけあなたにとって後悔の少ない道となるように、今回の記事が参考になりましたら幸いです。
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